NPOビジネス

 日経ビジネス2007.11.26号の特集が「敵か味方かNPOビジネス」という表題だった。
 内容としては、財政破綻した夕張市でのNPOの活躍や、病児保育、コミュニティバス風力発電等の国内での活動、そしてアメリカでMBAを取得したエリートたちの10%がNPOへと流れ込んでいることを伝えている。

 誰もが採算ラインに乗らないと考える事業をどう回していくのか。
 社会の難問に挑むNPOには株式会社以上の経営センスが求められる。
 悪戦苦闘の末に解を見つけたとき、世の中は確実に変わり始める。

 P36より

 日経ビジネスという雑誌の性質上、経営という点に重点が置かれている。とにかく、「回る仕組み」を作り出し、確実に社会問題に対処していくことが大事だよなあと再確認した。
 そして、その仕事に魅力があるのならば、高給を蹴ってでもそこに来てくれる志の高い優秀な人材がいる。
 実のところ、私個人としては、NPOが職員を雇用することに、あまり賛成ではない。それは、「ボランティアの精神〜」云々の話ではなく、現実問題として高い給与を支給することができず、未来永劫昇給する見込みがほとんどないことだ。そして、なによりも

NPOの究極の目的は、自身を廃業に追い込むことなんだ。NPOが解決すべき問題がなくなった社会こそ、目指すべき場所だ」

 P43より

という性質を持つNPOであるので、優秀なNPOは自身を廃業へと追い込み、職員は無職になるというジレンマを抱えることになる。
 アメリカのように雇用の流動化した社会ではともかく、日本ではこれはきつい。