戦う動物園
戦う。
- 作者: 小菅正夫,岩野俊郎,島泰三
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 新書
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やはり思うのは、その施設の特殊性をきちんと突き詰めて、「なぜ必要なのか」ということをきちんと考えて、それを中心に運営していかないといけない、ということだ。なぜ必要ということを突き詰めて考えずに、単なる公共事業や流行でつくったって、一年目はよくても続かない。それと、言ってることとやってることが違えば、人はついてこないと思う。
旭山の事例は、スペシャリストたちの努力の果ての結果だろうと思う。動物をよく知る人による「行動展示」は、職員の負担を増やすものだが、それでも頑張る職員がいる。
到津の事例について考えさせられるのは、ひとつは署名の責任。動物園がなくなるというときに署名活動して、自治体が買い取って、入園料は下げなさい、赤字は駄目ですって、一方的に要求するばかりなら、そこは潰れてしまう。募金したり、ボランティア中心の運営をしたりするなど、市民の実質的なサポートのおかげで到津は再生した。到津の真似をする動物園も出たけど、どこもうまくいかない。
もうひとつは、ハードとソフトの双方を連続して考えなければいけないこと。行政の多くはハードを建設する部署と、維持管理して運営する部署が異なる。なんにために作るのか。どんな風に使うのか、前提条件をはっきりさせてから作らないといけない。
あとはまあ、人付き合いとか人脈って大事だよな。