行動経済学

 にんげんってむずかしい。

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

 経済学が規定する「経済人」は、現実の人間とは異なる部分が多い。これは、いわゆる「自由市場」などもそうなのだろうけど、理念モデルは概念的には理解しやすいが、なかなか現実にはそういったものは存在しない。

 経済人というのは、超合理的に行動し、他者を省みず自らの利益だけを追求し、そのためには自分を完全にコントロールして、短期的だけでなく長期的にも自分の不利益になるようことは決してしない人々である。自分に有利になる機会があれば、他人を出し抜いて自分の得となる行動を躊躇無く取れる人々である。
(中略)
 しかしそのような知人がいたら、決して友達にはしたくない人々である。

第1章 経済学と心理学の復縁、より

 いやはや。
 世の中友達にしたくない奴ばっかりだったら、社会を形成できねえ。
 人間が「経済人」たりえないのは、人間が全知全能であらゆる情報を手にしてそれを解析することが不可能だったり、抽象的なロジック展開が苦手だったり、色んなものに愛着を持ったり、将来に対して不安を感じたり、社会化の課程で色々な概念を無条件に叩き込まれたりしているからであるらしい。
 もっとも、非合理的活動から「経済人」では生み出せない生産性を生み出したりもするのだから、世の中って分からない。信用って大事だよね。最適戦略って奴の模範解答は、多くの場合win-winの構図をしている。
 「限定合理的」に「生理的効用最大化」を目指して、楽しい人生を目指しましょう。

 ダイエットしないといけないけど、お菓子がやめられない←非経済人のだめなひと