現代経済学の誕生

 ケインズが嫌いになった。人間的に。

現代経済学の誕生―ケンブリッジ学派の系譜 (中公新書)

現代経済学の誕生―ケンブリッジ学派の系譜 (中公新書)

 貧者の救済とか、失業の減少とか、インフレとデフレのどっちがいいのかとか。不況からの脱出に必要なのは財政政策か金融政策かイノベーションか、あるいは農産物の豊凶か、外部経済の揺らぎか。

 完全なる市場というのが存在しない。その阻害要因はなにか。無知な大衆による感情的な投機行動とか。市場の失敗により公が担うべきインフラとか。

 価格により調整される一時的均衡とか、供給量により調整される長期正常均衡とか。(短期的には需要が、長期的には供給が支配的役割を演じる)

 内部経済とか外部経済とか、安楽基準とか生活基準とか、有機的成長とか。

 経済騎士道とか。

 ケンブリッジ学派の人々が、それぞれの時代背景の中で色々なことを言っているのを紹介したもの。
 上部構造は下部構造の変化に応じてシフトしていく、といったのはマルクスだったっけ。

 なんとなくマーシャルが好きになった。ケインズはその根性が気に食わない。