犯罪は「この場所」で起こる
実践的社会学って、大切だと思う。
- 作者: 小宮信夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/08/17
- メディア: 新書
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「領域性」(犯罪をするために入りにくい)、「監視性」(犯罪すると目撃される)、「抵抗性」(犯罪が成功しにくくする)の三点をそれぞれハード・ソフト両面から具体的に分析してある。
このうち、「領域性」と「監視性」が場所に関する取り組み。要するに「入りにくく」「見えやすい」場所作りをしましょう。逆に「誰でも入りやすく」「行動が見えにくい」ところは危険ですよ、ということ。
そして、領域性と監視性を向上させるためのハード的なツールとして監視カメラが紹介されているが、日本ではプロ市民の活躍によりあまり普及していない。
更にソフト的な取り組みとして。「割れ窓理論」に基づいて、犯罪を誘発する秩序違反行為への適切な対応の取り組みも紹介してあった。これは、今や世界で一番安全な年といわれるニューヨークの取り組みが有名。
また、「安全マップ作り」の取り組みは、地域の防犯性をを分析するだけでなく、マップ作りを通じて防犯意識の向上と地域づくりに効果がある。これ、誰かやらないかな。冒険遊び場とかどーよ?
また、犯罪者を生まないための、非行防止教育の事例も最後に紹介して、「犯罪者も被害者も生まない社会」を目指す方向を示している。