自治体格差が国を滅ぼす

自治体格差が国を滅ぼす  (集英社新書)

自治体格差が国を滅ぼす (集英社新書)

 自治体格差の話。
 夕張市の破綻問題で、いよいよ現実味が増してきた自治体格差である。様々な自治体が紹介されているが、一般的に経済的に豊かな自治体が豊かで、貧しい自治体が貧しい。
 それと並行して、原発のある自治体とかが、自治体規模と比較して使いきれないほどお金を持っている現状も指摘されている。
 交付金という制度で、経済的に豊かな地域から貧しい地域への所得移転が行われ、そのことに関する反感や問題視も強まっている。
 その反面、筆者が指摘するのは、水や空気、環境の保全が主に地方で行われていること。それに、廃棄物の処理も処理が追いつかないので、都心から地方へとごみが搬出されている。
 そして、電力の問題を見ると、東京電力原発が新潟にあり、関西電力原発が福井にある。
 中央と地方、都会と田舎は相互に深い関係を持ちながら存在している。そのことをきちんと分析して、情報公開して、国民の同意を得て、守らなければいけないものは守り、持続可能な社会を作っていかなくてはいけないのではないのだろうか。