行政マンの条件
- 作者: 石川善朗
- 出版社/メーカー: 時事通信出版局
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 単行本
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こうした状況下でも、行政は適正にかつできるだけ効率的に行われなければならないが、それを下支えするものが「志」である。評価制度はいいパフォーマンスに報いるという原則で作られているが、それを支えるものが、自己の利益はさておき、社会の利益のためにするという「志」である。
志があれば、人は世の中がよくなることを考えることになる。すなわち、志があれば、無心になることができ、「あれも欲しい、これも欲しい」といった我欲から離れることができる。また「あれも心配、これも心配」といったネガティブな感情からも離れることができる。
「利他の精神を持って公のために働こうとする」、この志がセクショナリズムの弊害を打破することにつながる。つまり、自分のことを考えれば、例えば自分の出世を第一に考えれば全体の利益よりパーツである組織の利益を優先させたほうが立身出世など自分の利益につながるが、そうした誘惑を断ち切って公のためにやろうとすることが求められるのである。
以上、第1部「行政マンの意気と力を高める「志」より」
(事業評価の過程で、うまくいかなかった事業を評価する際に)具体的には、原因と責任(賞罰)の分離を徹底することが有効である。
(中略)
一方、当事者としては、自分が損をようがしまいが、将来のために捨て石となるつもりで原因究明をはかるべきである。そうした「志」を持つことが望まれる。そして、行政は組織として行っているので、組織の責任は上司がとるということを表明することも有効な方法である。組織の不始末を部下に押し付けるのでは、部下は安心して真摯に原因分析に取り組めなくなってしまうであろう。こうしたことからも上司は「より高い志」が要求されるのである。
第2部「行政マンに必要な「技術(スキル)」を磨く」より
みんながみんなそんな人間なら、今頃こんな社会になってねえよ。