孔子 人間、どこまで大きくなれるのか

孔子―人間、どこまで大きくなれるか (知的生きかた文庫)

孔子―人間、どこまで大きくなれるか (知的生きかた文庫)

 渋沢栄一という人は、幕末明治維新の頃の人で、役人を経て実業家になり、日本の資本主義形勢に大きく貢献した人だ。
 「片手に論語、片手に算盤」といって、論語による経営を目指した渋沢栄一のあり方は、プロ倫(プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神)のあり方を連想させる。

 「論語読みの論語知らず」という言葉もある。古代人の書く文章というのは、えてしてとても短い。その短い文章をどう解釈するか、という能力の有無が、古典を生かしきるか、「論語読みの論語知らず」に陥る分岐点のように思える。かつて多くの人が論語に註をつけ、渋沢氏も自身の解釈で論語を行動規範として活用した。

 改めて論語を読み直そうかと思ってしまった。