NPOという生き方

 いまいち。

NPOという生き方 (PHP新書)

NPOという生き方 (PHP新書)

 内容に関しては総論や精神論が多くて、どーなんかなあという気持ち。
 まあ、運営に関する重要事項として上げられている部分は勉強になった。

  • ミッション

 そのNPOの目的。これが一番大事。
 運営していくうちに起こりがちの「世俗化による失敗」が起こると、目的と手段が逆転したり、なにがなんだかわからないものに変化してしまうので注意。

  • 経営

 マネジメントやマーケティングという言葉を出すと、NPO業界の人たちは嫌悪感をもつ人が結構いるが、大切なこと。
 NPOはボランティアが主体で採算を度外視することが多いが、「市場競争に晒されていないとき、組織内部の非効率も生じやすい」(第4章 NPOの失敗とその予防策)ので、注意する必要がある。経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)をいかに集め、効率よく運営していくかというのは、とても大事な問題だ。例えボランティアでも、無駄働きが好きな人はいないだろう。
 私見だが、補助金が財源の団体は、使いきり意識が強く、いつのまにかものの考え方が高コスト体質になっているところが結構あるように見える。
 また、マーケティングを重視しないと「善意の押し売り」になり、迷惑行為を撒き散らすことになってしまう。小さな親切大きなお世話。注意しないといけない。
 また、NPOマーケティングは2面性があり、サービスの提供対象だけでなく、出資者やボランティアをしてくれる人たちにもしっかりとメリットを提供する必要がある。資金提供者にはなんらかのメリットを提供し、説明責任を果たさないといけないし、ボランティアには楽しく、本人が成長すること等を提供しなければいけない。
 鬼デスクが「NPOはつまるところコーディネートだ」と言う所以だろう。

  • 戦略・戦術

 平和を愛するNPOの人は「戦略・戦術という言葉を使うな!」と言って争いを起こすらしい。
 どうでもいい。
 まあ、仕事はきちんと上手にやりましょう、ということなのではないのだろうか。

 NPOには様々な可能性があるが、まあ、未成熟な部分もかなりあるようだという所見。