大型店とまちづくり
たまには読書してみる。
大型店とまちづくり―規制進むアメリカ,模索する日本 (岩波新書 新赤版 (960))
- 作者: 矢作弘
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/07/20
- メディア: 新書
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ふむふむ。
現在ものすごいことになっている大型店ですが、
- 現在大型店は飽和状態にあり、過剰競争にさらされている。
- 大型店は短期間で開店と閉店を繰り返し、自治体は巨大な空き店舗の活用と、整備してしまったインフラの償却と維持管理費に四苦八苦することになる。誘致したものの、結果的には自治体に赤字をもたらすことになる。
- 商業の過剰競争による価格の切りつめと雇用条件の悪化により、地域にデフレの影響を与える。また、地域外に本社を置く店の場合、資産が地域外に流出する。
等の問題があるらしい。
しかし、
- 醜悪なビッグボックス店により、景観が破壊される。
とか
- 伝統的な町並みが破壊され、画一的な街並みになる。
とかは、どーよと思わなくもない。
まあ、感性の問題なんだろうけど。
老齢化が進み、人口が減少し、環境規制が強くなり、国家財政が悪化し、激しい国際競争にさらされるこれからの日本。
明日はどっちだ。
あと、この本の中で、佐賀市中心市街地活性化基本計画について、かなり褒められていた。
鋭い現状分析、既存インフラを活用するコンパクトシティづくり、そして一日6000人歩くまちづくり計画。
佐賀市は、日本有数の立派な計画を持つ市なのだ。
あんまり人、いないけど……
あと、アメリカでは大型店の規制のために商店主だけじゃなくて、地域の労働組合や教会や環境保護団体など多種多様な人たちが動いているが、日本ではそういった動きは見られない。
それはやっぱり、大型店ができると、生活が便利で快適で楽しくなるからだろうなあ。
で、他の人の意見も探してみた。
http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/12/competitionrule_90f6.html
郊外出店規制じゃなくて、中心市街地商店廃業強化が必要じゃね?
農業振興政策でもそうだけど、意欲ある担い手への基盤の集中こそが、産業政策の決め手だろう。でなければ、過疎地の山村よろしく、中心市街地も死滅するしかない。
http://d.hatena.ne.jp/umeten/20051223/p3
[試考]ユートピアとしての商店街
安易な「昔はよかった」なんて感傷で、時代遅れの遺物を監視社会の管理塔にしてはいけない。人が死ぬ。そんなまちには、人は出て行くばかりだ。かつて、農村から都市に人口が流出したように。
「都市の空気は、自由にする」はずだったのに。
インターネットは楽しいな。